この記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。選び方の基準は厚生労働省・消費者庁・製品評価技術基盤機構(NITE)の情報にもとづいています。広告について

掛け布団の選び方|冬は「保温・吸湿放湿・軽さ」と品質表示のダウン率で確かめる

公開 2026-10-12 / 厚生労働省 e-ヘルスネット、消費者庁「繊維製品品質表示規程」、NITE「家庭用品品質表示法に係るテスト」にもとづく

冬が近づくと「今の掛け布団では寒い」「暖かいものに買い替えたい」と考える人が増えます。ただ、売り場や通販ページには素材・厚さ・ダウンの数字が並び、何を基準に選べばいいか迷いがちです。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、掛け布団に求められる条件として保温性、吸湿性・放湿性、寝返りを打ちやすい軽さとフィット感が挙げられています[1]。この記事では、この3つの条件と、法律で決められた品質表示の読み方を組み合わせて、冬の掛け布団を選ぶ手順をまとめます。

CONTENTS

  1. 掛け布団に求められる3つの条件
  2. 品質表示の見方|詰物と側生地の組成を確かめる
  3. 羽毛布団の「ダウン◯%」は何を表している?
  4. 暖かすぎて蒸れるのも眠りを妨げる|吸湿性・放湿性の確かめ方
  5. 重い布団を重ねるより軽さとフィット感
  6. 毛布との重ね方と冬の寝床の整え方
  7. 買う前に確認したい6つのこと
  8. よくある質問

掛け布団に求められる3つの条件

e-ヘルスネットでは、個人差や季節の違いはあるものの、寝床の中の温度は33℃、湿度は50%の状態が最適とされると紹介されています[1]。掛け布団は、この寝床の中の環境をつくる中心的な寝具です。同じ記事で、掛け布団には次の性質が求められるとしています[1]。

条件なぜ必要か選ぶときに見るところ
保温性寝床の中を暖かく保つ詰物の種類と量、肩口や足元にすき間ができないか
吸湿性・放湿性寝ている間の汗や湿気をこもらせない詰物と側生地の素材、カバーやお手入れの方法
軽さとフィット感寝返りを打ちやすくし、体に沿って暖かさを逃がさない持ったときの重さ、体に掛けたときに沿うか

e-ヘルスネットでは、寝返りには体の同じ場所が圧迫され続けるのを防いだり、寝床の中の温度や湿気を調節したりする働きがあるとも説明されています[1]。冬はつい「とにかく暖かいもの」を探しがちですが、暖かさ・湿気の逃がしやすさ・寝返りのしやすさの3つをそろえて考えるのが選び方の出発点です。

品質表示の見方|詰物と側生地の組成を確かめる

掛け布団の素材を確かめるいちばん確実な手がかりは、品質表示です。布団は家庭用品品質表示法の対象で、消費者庁の「繊維製品品質表示規程」では、布団について詰物を組成する繊維と、布団側(がわ)の生地を組成する繊維を表示することになっています[2]。商品名やキャッチコピーではなく、この表示を見れば「中に何が入っていて、表面の生地は何でできているか」がわかります。

  1. 詰物の欄を見る:中に入っている素材とその割合です。羽毛、羊毛、綿、ポリエステルなどの名称と混用率(%)が書かれています。
  2. 側生地の欄を見る:体に触れる表面の生地の素材です。表地と裏地で素材が違う場合もあります。
  3. 繊維以外のものの記載を見る:規程では、詰物に繊維以外の物を使っている場合はその名称を付記することになっています[2]。
  4. 洗濯表示(取扱表示)を見る:家庭で洗えるのか、クリーニングに出すのかを、買う前に確認しておきます。
通販では、商品ページの「素材」「仕様」欄に品質表示と同じ内容が書かれていることが多いので、詰物と側生地の両方が載っているかを確認しましょう。見当たらないときは、販売店に問い合わせるのが確実です。

羽毛布団の「ダウン◯%」は何を表している?

羽毛布団で必ず目にするのが「ダウン90%・フェザー10%」のような数字です。繊維製品品質表示規程では、羽毛は「ダウン」と、それ以外の羽毛(「フェザー」または「その他の羽毛」)に分けて表示することになっています[2]。数字はそれぞれの重さの割合です[3]。

NITE(製品評価技術基盤機構)の資料では、ダウンは水鳥の胸部に密生する、羽軸がなくタンポポの綿毛のような形の羽毛で、軽くて保温性があり、弾力性にも富んでいるため、ダウンの量と品質が羽毛ふとんの品質を左右する重要な要素の一つと説明されています。一方、フェザーは羽軸のある羽根で、長さ6.5cm未満のスモールフェザーはダウンと混ざって弾力性を発揮するとされています[3]。

表示の用語どんな羽毛か(NITE資料から)
ダウン羽軸がなく、ふわふわした綿毛状の羽毛。軽くて保温性・弾力性がある
フェザー(その他の羽毛)ダウン以外の羽毛。スモールフェザーのほか、損傷したフェザーや陸鳥のフェザー、羽枝が分離した繊維なども含まれる

表示の数字には許容範囲があります。規程では、羽毛の混用率の表示は原則としてプラス・マイナス5パーセント以内の誤差が認められています[2]。NITEが2004年度に市場で購入した羽毛ふとん12銘柄を調べたテストでは、すべて規程どおりに表示されていましたが、2000年度のテストでは15銘柄中2銘柄で、ダウンの割合が許容範囲を超えて実際より多く表示されていたと報告されています[3]。

「ダウン93%」と「ダウン90%」のように数ポイントの差は、許容範囲(±5%)の中に収まる程度の違いでもあります。数字の大小だけで決めず、次の章以降の「蒸れにくさ」「軽さとフィット感」とあわせて比べましょう。

暖かすぎて蒸れるのも眠りを妨げる|吸湿性・放湿性の確かめ方

冬の掛け布団選びで見落としやすいのが、湿気の逃がしやすさです。e-ヘルスネットが寝床の中の湿度50%を目安に挙げているように[1]、暖かさだけでなく、寝ている間の汗や湿気がこもらないことも寝床の環境の一部です。

掛けすぎて寝苦しくなる感覚は、昔から語られてきました。アメリカの政治家・科学者ベンジャミン・フランクリンは、18世紀の随筆で次のように書いています。

夜中に目が覚めたとき、暖かく掛けすぎていると、なかなか再び寝つけないことがある。何度も寝返りを打っても、どの姿勢でも落ち着けない。(拙訳)

"on waking in the night, we have, if warmly covered, found it difficult to get asleep again. We turn often, without finding repose in any position."

ベンジャミン・フランクリン「The Art of Procuring Pleasant Dreams」(『Memoirs of Benjamin Franklin』Vol.2 所収、Project Gutenberg 版)[4]

フランクリンはその対策として「より薄く、通気のよい寝具を使う」ことを挙げています[4]。200年以上前の随筆なので、体の仕組みの説明はそのまま現代の知識とは言えませんが、「暖かさを足すほど眠りやすくなるとは限らない」という視点は、今の掛け布団選びにも通じます。

重い布団を重ねるより軽さとフィット感

寒いからといって布団を何枚も重ねると、重さで寝返りが打ちにくくなります。e-ヘルスネットが掛け布団の条件に寝返りを打ちやすい軽さとフィット感を挙げているのはこのためです[1]。フィット感は、体の形に沿って肩口や体の脇にすき間をつくらないことで、暖かさを逃がしにくくする性質と言い換えられます。

こんなサインがあれば見直したいこと
朝、肩が冷えている肩口にすき間ができていないか。幅や形、体に沿う柔らかさ
布団が重くて寝返りしにくい重ねる枚数を減らし、軽いものに置き換えられないか
夜中に暑くて布団をはいでいる掛けすぎ・蒸れていないか。厚さを調整できる組み合わせにする
背中側から冷える掛け布団より、敷き寝具や敷きパッドの側を見直す

冬用の掛け布団を探す

比べるときは、品質表示(詰物・側生地の素材と混用率)、重さ、サイズ、洗濯表示を確認しましょう。羽毛布団はダウンとフェザーの割合も表示されています。

素材・重さ・サイズ・お手入れ方法は販売ページの品質表示でご確認ください。

毛布との重ね方と冬の寝床の整え方

掛け布団1枚で寒い夜は、毛布を足して調整する人も多いでしょう。重ね方に決まった正解はありませんが、ここまでの条件に照らすと、次のように考えると選びやすくなります。

  1. まず寝床を先に温める:冷えた布団に入るのがつらい場合は、寝る前に湯たんぽや電気毛布で寝床を温めておく方法がe-ヘルスネットで紹介されています[1]。使い方と低温やけどの注意は寒くて眠れない夜の対策|布団を先に温める・寝る前の部屋と入浴を国の資料で見直すで詳しく説明しています。
  2. 足すのは軽いものから:重さで寝返りが打ちにくくならない範囲で、毛布やタオルケットを1枚ずつ足して調整します。
  3. 肩口のすき間をふさぐ:首元から冷気が入らないよう、掛け布団や毛布を肩まで掛けられる大きさかを確認します。
  4. 暑くなったら外せるようにしておく:夜中に暑くて目が覚めるなら、1枚外せる組み合わせにしておきます。

首元の冷えが気になる場合は、枕との間にすき間ができていないかも確認しておきましょう。合う高さの見つけ方は枕の選び方|高さ・奥行き・硬さを首のすき間とマットレスから決めるにまとめています。

買う前に確認したい6つのこと

確認することどこで見るか
詰物の素材と混用率品質表示(通販は「素材」「仕様」欄)
側生地の素材品質表示。表地と裏地で違う場合もある
羽毛ならダウンとフェザーの割合品質表示。数ポイントの差は許容範囲(±5%)程度と考える
重さ販売ページの仕様、売り場で実際に持つ
サイズ使っている敷き寝具・ベッドの幅と合うか、肩まで掛けられる長さか
お手入れの方法洗濯表示(家庭で洗えるか、クリーニングか)、カバーの有無

掛け布団だけでなく、体を支える敷き寝具も寝心地を大きく左右します。マットレスや敷き布団も見直す場合はマットレスの選び方|硬さは「寝た姿勢の腰のすき間」で決める・敷き布団との違いもあわせて読んでみてください。寝具を整えても寝つけない夜が続く、日中の眠気や不調があるといった場合は、寝具以外の原因が関わっていることもあります。眠れない状態が長く続くときは、医療機関に相談してください。

よくある質問

冬の掛け布団は何を基準に選べばいい?
e-ヘルスネットでは、掛け布団に求められる条件として保温性、吸湿性・放湿性、寝返りを打ちやすい軽さとフィット感を挙げています[1]。素材は品質表示で詰物と側生地の両方を確かめ、重さとサイズ、お手入れの方法もあわせて比べましょう。
羽毛布団の「ダウン90%」と「ダウン93%」はどれくらい違う?
数字はダウンとそれ以外の羽毛の重さの割合です[3]。繊維製品品質表示規程では、羽毛の混用率の表示には原則プラス・マイナス5パーセントの許容範囲があるため[2]、数ポイントの差だけで判断せず、重さやフィット感、側生地なども合わせて比べるのがおすすめです。
品質表示はどこを見ればいい?
布団は家庭用品品質表示法の対象で、詰物を組成する繊維と、布団側の生地を組成する繊維が表示されます[2]。売り場では本体に縫い付けられたラベル、通販では商品ページの「素材」「仕様」欄で確認できます。
寒いので布団を何枚も重ねてもいい?
重ねすぎると重さで寝返りが打ちにくくなったり、蒸れて夜中に目が覚めたりすることがあります。e-ヘルスネットは掛け布団に軽さとフィット感も求めているので[1]、軽いものを少しずつ足し、暑ければ外せる組み合わせにするとよいでしょう。
掛け布団を替えても寒くて眠れないときは?
寝る前の部屋の温度や入浴のタイミング、寝床を先に温めるといった寝具以外の対策もあります。それでも眠れない状態が続く場合は、体調や病気が関わっている可能性もあるため、医療機関に相談してください。

品質表示・重さ・サイズを見比べて、冬の掛け布団を選ぶ

出典

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」(執筆:有竹清夏 埼玉県立大学大学院 教授、最終更新日 2023年7月6日) https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-003(2026年10月10日閲覧)
  2. 消費者庁「繊維製品品質表示規程」(家庭用品品質表示法に基づく告示。別表第二 九(布団)、第六条・別表第六(羽毛の指定用語)、第九条・別表第五(混用率の許容範囲)、第十条第3項(詰物の付記)) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/law/law_04.html(2026年10月12日閲覧)
  3. 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「家庭用品品質表示法に係るテスト『ふとん(羽毛ふとん)』」(平成16年度) https://www.nite.go.jp/data/000004551.pdf(2026年10月12日閲覧)
  4. Benjamin Franklin, "The Art of Procuring Pleasant Dreams", in Memoirs of Benjamin Franklin; Written by Himself, Vol. II(Harper & Brothers, 1860/Project Gutenberg eBook #40236) https://www.gutenberg.org/ebooks/40236(2026年10月12日閲覧)