この記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。対策の基準は厚生労働省・製品評価技術基盤機構(NITE)・消費者庁の情報にもとづいています。広告について
寒くて眠れない夜の対策|布団を先に温める・寝る前の部屋と入浴を国の資料で見直す
布団に入っても足先が冷たいまま、なかなか寝つけない。冬になると、こうした悩みが増えます。厚生労働省の睡眠ガイドでは、寒い時期に眠りやすくするポイントとして寝る前に過ごす部屋の暖かさ、入浴のタイミング、寝具で寝床の中を暖かく保つことが挙げられています[1]。この記事では、その内容と、湯たんぽや電気毛布を使うときに気をつけたい低温やけどの防ぎ方を、公的な資料からまとめます。
CONTENTS
寒いと眠れないのはなぜ?体温と寝つきの関係
睡眠ガイドによると、脳や内臓など体の内部の温度(深部体温)はおよそ24時間の周期で変動し、日中に上がって夜の睡眠中に下がります。寝る前に手足の皮膚の血流が増えて体の熱が外へ逃げ、深部体温が下がり始めると眠りに入りやすくなると説明されています[1]。
寒さで手足が冷え切っていたり、寝る直前まで寒い部屋にいたりすると、この流れがスムーズに進みにくくなると考えられます。実際、冬に行われた調査では、寝る前に過ごす部屋の室温が低いと、寝床に入ってから眠るまでの時間が長くなることが示されています[1]。
一方で、ガイドは「冬に寝室の温度が下がって睡眠が悪くなる」ことを示した報告は少なく、寝具を十分に使って寝床の中が暖かく保たれていれば、睡眠への影響は少ないとも述べています[1]。つまり冬の対策は、「寝室を一晩中暖房する」よりも、寝る前の過ごし方と寝床の暖かさを整えることが中心になります。
暖かい寝床に入る心地よさは、昔から多くの人が知っていたものです。『ドン・キホーテ』の従者サンチョは、眠りをこうたたえています。
眠りを発明した人に幸いあれ。人の思いをすべて覆うマントであり、飢えを消すごちそう、渇きを追い払う水、寒さを温める火だ。(拙訳)
"bien haya el que inventó el sueño, capa que cubre todos los humanos pensamientos, manjar que quita la hambre, agua que ahuyenta la sed, fuego que calienta el frío"
ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』後編 第68章(Project Gutenberg 版)[5]
ただ現実には、寒さそのものが眠りの入口をふさいでしまいます。ここからは、今夜からできる手順を順に見ていきます。
寝る前に過ごす部屋は暖かく・冬の室温は18℃以上が目安
先ほどの調査結果から、睡眠ガイドは冬は寝る前にできるだけ暖かい部屋で過ごすことも大切としています[1]。リビングを暖かくしていても、廊下や脱衣所、寝室との温度差が大きいと、移動のたびに体が冷えてしまいます。
もう一つ大事なのが、夜中や早朝の寒さです。ガイドでは、夜中にトイレへ行くときや朝起きたときに急な寒さにさらされると、血圧が急に上がり、脳卒中や心筋梗塞の発症につながるおそれがあると注意しています。そのうえで、WHO(世界保健機関)の住環境ガイドラインが冬の室温を18℃以上に保つよう推奨していることを紹介しています[1]。
| 場面 | 見直したいこと(睡眠ガイドの記載から) |
|---|---|
| 寝る前 | できるだけ暖かい部屋で過ごす。寒い部屋で過ごすと寝つくまでの時間が長くなるという調査がある |
| 夜中のトイレ・早朝 | 急な寒さで血圧が上がるのを避ける。WHOは冬の室温18℃以上を推奨 |
| 寝ている間 | 寝具で寝床の中が暖かく保たれていれば、室温の低さによる睡眠への影響は少ないと考えられている |
入浴は就寝の1〜2時間前・熱すぎるお湯は避ける
体を温める方法としてまず挙げられるのが入浴です。睡眠ガイドでは、寝る前の入浴は手足の血管を広げて入浴後の熱の放散を促すと考えられており、実生活での研究でも就寝の約1〜2時間前に入浴した場合、入浴しなかった場合より速やかに眠りに入れたと報告されている、と紹介しています[1]。
冬は冷えた体を温めようと、熱いお湯に長くつかりたくなります。ただ、ガイドのQ&Aでは「冬は熱い風呂に長く浸かっているが問題ないか」という問いに対し、湯温が極端に高いと交感神経の働きが高まり、かえって寝つきを妨げる可能性もあると答えています[1]。別の節でも、少しぬるめのお湯にゆっくりつかることが勧められています[1]。
- 入浴は寝る直前ではなく、1〜2時間前を目安に済ませる
- 熱すぎるお湯は避け、少しぬるめでゆっくりつかる
- お風呂上がりに寒い廊下や脱衣所で体を冷やさない(前の章の「寝る前の部屋」とセットで考える)
布団が冷たくて寝れないときは寝床を先に温める
「お風呂で温まったのに、布団に入ったら冷たくて目が冴えてしまう」という悩みには、寝床を先に温めておくのが基本です。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、個人差や季節の違いはあるものの、寝床の中の温度は33℃、湿度は50%の状態が最適とされると紹介したうえで、寒い季節は湯たんぽや電気毛布を使って寝る前に寝床を温めておくと眠りにつきやすくなると説明しています[2]。
- 入浴の前後に寝床を温め始める:湯たんぽを布団の中に入れる、または電気毛布のスイッチを入れておきます。
- 足元だけでなく、体が触れる範囲を温める:湯たんぽは足元から腰のあたりへ位置を変えると、寝床全体が温まりやすくなります。
- 寝る前に湯たんぽを出す・電気毛布を切るか弱める:寝床が温まったら、眠る前に湯たんぽは布団から出し、電気毛布はスイッチを切るか目盛りを最小にします(理由は次の章)。
- 寝室に入ったらすぐ布団へ:暖かい部屋から寒い寝室で長く過ごすと、せっかく温まった体が冷えてしまいます。
寝る前に寝床を温める道具を探す
お湯を入れる湯たんぽと、タイマーで切れる電気毛布。どちらも「寝る前に布団を温めて、眠るときは出す・切る」使い方が基本です。
素材・容量・タイマーや温度調節の有無、取扱説明書の注意事項は販売ページでご確認ください。
湯たんぽ・電気毛布で低温やけどを防ぐ使い方
湯たんぽや電気毛布で気をつけたいのが低温やけどです。消費者庁は、低温やけどを「心地よく感じる程度(体温より少し暖かい温度)のものでも、皮膚の同じ部分が長い時間接触していると発生するやけど」と説明し、皮膚の深いところまで達して見た目より重症の場合があると注意しています[4]。
製品評価技術基盤機構(NITE)は、低温やけどになるまでの温度と時間の目安として次の数値を紹介しています[3]。
| 皮膚に触れている温度 | 低温やけどになるといわれる時間 |
|---|---|
| 44℃ | 3〜4時間 |
| 46℃ | 30分〜1時間 |
| 50℃ | 2〜3分 |
眠っている数時間は、まさにこの「長時間」にあたります。NITE・消費者庁の資料から、使うときのポイントをまとめると次のとおりです[3][4]。
- 湯たんぽは、寝床が温まったら布団から出す。厚手のタオルや専用カバーで包んでも低温やけどは起こるとされています
- 電気毛布は、寝る前に布団を温め、眠っている間はスイッチを切るか目盛りを最小にする
- 体の同じ場所を長時間温めない。違和感や熱さを感じたらすぐに使うのをやめる
- 使い捨てカイロは就寝時には使わない
- 糖尿病による神経障害がある人や皮膚の感覚が低下している人は、湯たんぽ・電気毛布などを使う前に医師に相談する
冬の掛け布団と毛布の選び方・重ね方
寝ている間の暖かさを支えるのは寝具です。e-ヘルスネットでは、掛け布団には保温性、吸湿性・放湿性に加え、寝返りを打ちやすい軽さとフィット感が求められるとしています[2]。寝返りには、体の同じ場所が圧迫され続けるのを防いだり、寝床の中の温度や湿気を調節したりする働きがあるとされているため[2]、暖かさを求めて重い布団を何枚も重ねるより、軽くて体に沿うものを選ぶ考え方が合っています。
| 見るポイント | 確認のしかた |
|---|---|
| 保温性 | 肩口や足元にすき間ができず、体を包むように沿うか |
| 吸湿性・放湿性 | 寝汗で蒸れないか。側生地の素材やカバーが洗えるか |
| 軽さ・フィット感 | 重ねたときに寝返りがしにくくならないか |
- 肩口から冷気が入る場合は、首元のすき間をふさげる大きさ・形かを見直す
- 毛布を足すときは、重さで寝返りが打ちにくくならない枚数にとどめる
- 敷き寝具の側から冷える場合は、掛け布団を増やす前に敷きパッドや敷き寝具の厚みも確認する
敷き寝具は寝姿勢を支える役割もあるので、買い替えるなら硬さもあわせて確認しましょう。選び方はマットレスの選び方|硬さは「寝た姿勢の腰のすき間」で決める・敷き布団との違いで解説しています。
寒い夜のチェックリスト
| タイミング | チェック |
|---|---|
| 就寝1〜2時間前 | 熱すぎないお湯で入浴を済ませた |
| 入浴のころ | 湯たんぽを布団に入れた/電気毛布のスイッチを入れた |
| 寝る前 | 暖かい部屋で過ごし、脱衣所や廊下で体を冷やしていない |
| 布団に入るとき | 湯たんぽは布団から出した/電気毛布は切るか最小にした |
| 寝ている間 | 掛け布団は肩口のすき間がなく、寝返りを打てる重さ |
| 夜中・早朝 | トイレや起床時に急に寒い場所へ出ないよう、室温(18℃以上が目安)や羽織るものを用意した |
寒さ対策をしても寝つけない夜が続く、日中の眠気や不調があるといった場合は、寒さ以外の原因が関わっていることもあります。眠れない状態が長く続くときは、医療機関に相談してください。そもそも自分に必要な睡眠時間の考え方は睡眠時間の目安は年代でどう変わる?厚労省ガイドの「6時間以上」と床上時間・寝だめの考え方にまとめています。
よくある質問
- 冬は寝室を一晩中暖房したほうがいい?
- 睡眠ガイドでは、寝具で寝床の中が暖かく保たれていれば、室温の低さによる睡眠への影響は少ないと考えられているとしています[1]。一方で、夜中や早朝に急な寒さにさらされると血圧が急に上がるおそれがあり、WHOが冬の室温を18℃以上に保つよう推奨していることも紹介されています[1]。夜中にトイレへ行くことが多い人は、室温や廊下の寒さにも気を配りましょう。
- 湯たんぽを布団に入れたまま寝てもいい?
- NITE・消費者庁は、布団が温まったら湯たんぽを布団から出すよう呼びかけています[3][4]。専用カバーやタオルで包んでいても、同じ場所に長時間触れていると低温やけどが起こることがあるとされています。
- 電気毛布はつけっぱなしで寝ても大丈夫?
- NITEは、寝る前に布団を温め、眠っている間はスイッチを切るか目盛りを最小の位置にして使うよう注意しています[3]。タイマーや温度調節の機能、取扱説明書の注意事項も確認してください。
- 寒いので熱いお風呂に長く入ると眠りやすい?
- 睡眠ガイドでは、就寝の約1〜2時間前の入浴は寝つきを助けると期待される一方、湯温が極端に高いと交感神経の働きが高まり、かえって寝つきを妨げる可能性もあるとしています[1]。少しぬるめのお湯でゆっくりつかるのが目安です。
- 足が冷えて眠れない状態がずっと続く場合は?
- 寒さ対策をしても冷えや不眠が続くときは、体調や病気が関わっている可能性もあります。自己判断で済ませず、医療機関に相談してください。
「寝る前に温めて、眠るときは出す・切る」道具を比べる
出典
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会、令和6年2月)「良質な睡眠のための環境づくりについて」ほか https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf(2026年10月11日閲覧)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」(執筆:有竹清夏 埼玉県立大学大学院 教授、最終更新日 2023年7月6日) https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-003(2026年10月10日閲覧)
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「『低温やけど』の事故防止について(注意喚起)」(平成21年11月26日) https://www.nite.go.jp/data/000005074.pdf、同「製品安全情報マガジン Vol.441『低温火傷による事故』」(2023年11月28日) https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2023fy/vol441_231128.html(いずれも2026年10月11日閲覧)
- 消費者庁「ゆたんぽによる低温やけどに注意しましょう!」(令和2年12月16日) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_045/assets/consumer_safety_cms204_20201216_02.pdf(2026年10月11日閲覧)
- Miguel de Cervantes Saavedra, Don Quijote, Segunda parte, Capítulo LXVIII(Project Gutenberg eBook #2000) https://www.gutenberg.org/ebooks/2000(2026年10月11日閲覧)