この記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。耳栓の種類と付け方は厚生労働省の資料とメーカー公式の装着手順にもとづいています。広告について
睡眠用耳栓の選び方|発泡・形成タイプの違い、サイズ、痛くない付け方と寝るときの注意
家族のいびき、上の階の足音、夜中の車の音。音が気になって眠れないとき、いちばん手軽に試せるのが耳栓です。ところが「買ってみたけれど耳が痛くて朝まで着けていられない」「思ったほど静かにならない」という声もよく聞きます。この記事では、厚生労働省が騒音対策の資料で示している耳栓のタイプごとの特長と注意点と、メーカーが公開している正しい付け方をもとに、寝るときに使う耳栓の選び方と、痛くなりにくい使い方を整理します。
CONTENTS
耳栓を選ぶ前に|音への感じ方には個人差がある
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、寝室内で測った騒音が、睡眠の効率の低下や、寝つくまでの時間・夜中に目が覚めている時間の延長と関連したという研究を紹介し、静かな睡眠環境の確保が重要としています[4]。一方で、騒音の影響は慣れによって小さくなる現象もみられ、騒音に対する感受性には個人差があるとも書かれています[4]。
同じ音の中でぐっすり眠れる人もいれば、わずかな物音で目が覚める人もいる。この不公平さは、400年以上前の劇の中でも嘆かれています。眠れない夜を過ごす王が、嵐の帆柱の上でも眠る水夫の少年を思い浮かべる場面です。
気まぐれな眠りよ、あれほど荒れた時刻に、ずぶ濡れの水夫の少年には安らぎを与えておきながら、このうえなく静かな夜、あらゆる手立てをそろえた王には、それを拒むのか。(拙訳)
"Canst thou, O partial sleep, give thy repose / To the wet sea-boy in an hour so rude; / And in the calmest and most stillest night, / With all appliances and means to boot, / Deny it to a king?"
ウィリアム・シェイクスピア『ヘンリー四世 第二部』第3幕第1場(Project Gutenberg 版)[5]
音が気になるかどうかは人それぞれなので、「何dBなら耳栓が必要」という線はありません。自分が音で眠りにくいと感じているなら、試してみる価値があります。ただし、外の騒音が大きい場合は、睡眠ガイドが挙げる防音・遮光の機能があるカーテンへの取り換えや、寝床を窓から遠ざけるといった部屋側の対策も合わせて考えましょう[4]。部屋側の対策は眠りやすい寝室のつくり方|光・温度・音を厚労省の睡眠ガイドで見直すでまとめています。
耳栓の種類の違い|発泡タイプと形成タイプ
厚生労働省が2023年に改訂した「騒音障害防止のためのガイドライン」のパンフレットでは、代表的な聴覚保護具として次の3つが紹介されています[1]。もともとは職場の騒音対策の資料ですが、耳栓の種類ごとの特長と注意点が簡潔にまとまっていて、睡眠用を選ぶときの基準にも使えます。
| 種類 | どんなものか | 特長 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 発泡タイプ(ウレタンフォーム) | 細い棒状につぶして耳の穴に入れ、膨らむのを待つ。持ち手付きの入れやすいものもある | 安価で、正しく着用すれば遮音性能が大きい | 汚れを保持しやすいので使い捨てが衛生的。最大の遮音を得るには、しわができないよう細く丸めるコツが必要 |
| 形成タイプ(形が決まっている耳栓) | ゴムや軟質プラスチックなど弾力のある素材で、だれの耳にも合うように作られている | 洗って再利用でき、変形しない限り長く使える | 遮音性能は中程度 |
| イヤーマフ(耳覆い) | 耳のまわりを柔らかいクッションで覆う | 着け外しが簡単 | ヘッドバンドがある |
表の内容は厚生労働省のパンフレットによります[1]。寝ながら使うことを考えると、ヘッドバンドのあるイヤーマフは横向きや寝返りで当たりやすいため、睡眠用の候補は主に発泡タイプか形成タイプになります。
- 音をしっかり減らしたい人:発泡タイプが候補です。ただし、遮音が大きいのは「正しく着用すれば」という条件つきなので[1]、次の章の付け方まで含めて選びます。
- 洗って繰り返し使いたい人・丸めるのが苦手な人:形成タイプが候補です。遮音は中程度とされているので[1]、いびきなど大きな音には物足りない場合があります。
発泡タイプの素材にも違いがあります。3M社の装着ガイドでは、ポリウレタン(PU)のフォームは柔らかすぎることがあり、湿度が高いと膨らむのが速すぎて入れにくい場合がある、と説明されています[3]。入れる前に膨らんでしまう人は、丸めたらすぐに入れるか、別の素材や形のものを試すとよいでしょう。
耳栓のサイズの選び方|耳の穴に合っているかの確かめ方
耳の穴の大きさは人によって違います。3M社の装着ポスターでは、レギュラーサイズの発泡耳栓は多くの耳によく合い、耳の穴が大きい人向けのラージ、小さい人向けのスモールもあると案内しています[2]。「どうしても痛い」「すぐ抜けてくる」ときは、付け方だけでなくサイズが合っていない可能性があります。
合っているかどうかは、次の方法で確かめられます[2][3]。
- 指で触ってみる:耳栓が膨らんだあとに触れて、耳栓の端だけが指に当たるなら奥まで入っています。大部分が耳の穴の外に出ているなら、外してやり直します。
- 外した耳栓の形を見る:1分ほど着けてから外すと、数秒間は耳の穴の形が残ります。少なくとも半分が耳の穴に入っていて、つぶれ・しわ・折れ曲がりがなければ良い装着です。
- 手で耳をふさいで聞き比べる:一定の大きさで続く音を聞きながら、両手のひらで耳を覆います。耳栓が正しく入っていれば、覆っても覆わなくても聞こえ方がほとんど変わりません。
3M社は、うまく合わないときは別のサイズや別の種類の耳栓を試すよう案内しています[2]。最初の1種類で合わなくても、耳栓そのものが向いていないとは限りません。
睡眠用の耳栓を、タイプとサイズで選ぶ
発泡タイプ(ウレタンフォームなど)か、洗って使える形成タイプかをまず決め、サイズ展開(スモール・レギュラーなど)と、パッケージに遮音値の表示があるかを確かめましょう。初めてなら、少ない数の入ったものやサイズ違いのセットで自分の耳に合うかを試すと選びやすくなります。
素材・サイズ・遮音値・使用上の注意は販売ページとメーカーの表示でご確認ください。
遮音は強いほどいい?目覚ましや警報が聞こえるかで決める
耳栓のパッケージには、どれくらい音を減らせるかを示す遮音値が書かれていることがあります。数字が大きいほど音を大きく減らせますが、寝るときは「強ければ強いほどいい」とは限りません。
厚生労働省の騒音障害防止のガイドラインは、職場で聴覚保護具を選ぶとき、日本産業規格(JIS T8161-1)の方法で測った遮音値を目安に必要かつ十分なものを選ぶこと、そして安全のために周囲の音を聞く必要がある場合には、遮音値が必要以上に大きいものを選ばないよう配慮することを求めています[1]。
寝室に置きかえると、「周囲の音」にあたるのは目覚まし時計、火災警報器、小さなこどもや介護が必要な家族の声などです。選ぶときは次の順で考えると決めやすくなります。
- 聞こえないと困る音を書き出す:目覚まし、警報器、家族の呼びかけなど。
- 減らしたい音の大きさを考える:隣室のいびきや外の車の音など、何を減らしたいかで必要な遮音の強さは変わります。
- 着けた状態で、聞こえないと困る音を試す:初めて使う夜の前に、耳栓をして目覚ましを鳴らし、起きられる大きさで聞こえるかを確かめます。聞こえにくければ、遮音の弱いタイプに替えるか、目覚ましを振動式にする・枕元に置くなどの工夫をします。
痛くない耳栓の付け方|メーカー公式の4つの手順
発泡タイプは、付け方しだいで遮音も着け心地も大きく変わります。発泡耳栓を考案したE-A-Rブランドを持つ3M社の装着ガイドとポスターでは、次の手順が示されています[2][3]。
- 手と耳栓を清潔にしてから、細く丸める:親指と指先でゆっくり転がし、少しずつ力を強めて、しわのない細い円柱にします。ねじるのではなく転がし、円すいや球の形にしないのがコツです。
- 耳を外側・上方向に引きながら入れる:反対側の手を頭の後ろか上から回して耳の上の部分を引くと、耳の穴がまっすぐ広がって入れやすくなります。右耳は右手、左耳は左手で入れます。
- 膨らみ始めるまで指先で押さえる:入れたらすぐ離さず、数秒〜しばらく指で押さえて、耳栓が膨らんで音をふさぐのを待ちます。
- 指で触れて確かめる:膨らんだあと、端だけが指に触れれば入っています。大部分が外に出ていたら、外して丸め直し、もう一度入れます。
3M社のガイドによると、うまく入らない主な原因は丸め方が足りないことと、丸めてから入れるまでに時間がかかることです[3]。また、一度膨らみ始めた耳栓は、押し込んだりねじったりしても入り方は良くならないので、外して丸め直すよう書かれています[3]。
形成タイプや、丸めずに押し込む形の耳栓は、製品ごとに付け方が違います。パッケージの説明書の手順に従いましょう。
耳栓を寝るときに使う注意点とお手入れ
耳栓は毎晩、長い時間耳に入れるものです。次の点を守って使いましょう。
| 項目 | 気をつけること |
|---|---|
| 清潔さ | 着ける前に手と耳栓を清潔に[2]。発泡タイプは汚れを保持しやすいため、使い捨てが衛生的とされています[1] |
| 再利用するタイプ | 形成タイプは洗って再利用できますが、変形したら交換します[1]。洗い方と交換の目安は製品の説明書に従います |
| 深く入りすぎたとき | 耳の穴が大きい人が強く速く押し込むと、つかめないほど奥に入ることがあります[3]。無理に指でほじらず、取り出せないときは耳鼻咽喉科で取ってもらいます。次からはゆっくり浅めに入れるか、ひも付きのものを選ぶと安心です[3] |
| 外すとき | 勢いよく引き抜かず、ゆっくり外します |
| 耳の不調 | 耳の痛み・かゆみ・耳だれ・聞こえにくさがあるときは使うのをやめ、耳鼻咽喉科に相談します |
横向きに寝ると、枕に押されて耳栓が奥へ入ったり、耳が圧迫されて痛くなったりすることがあります。耳栓の端が耳から大きく出ていないか確かめるほか、横向き寝の人は枕の高さや奥行きも見直すと耳への当たり方が変わります。枕の選び方は枕の選び方|高さ・奥行き・硬さを首のすき間とマットレスから決めるで紹介しています。
よくある質問
- 睡眠用の耳栓はどのタイプがいい?
- 音をしっかり減らしたいなら、正しく着用すれば遮音性能が大きいとされる発泡タイプ、洗って繰り返し使いたいなら形成タイプが候補です[1]。形成タイプの遮音は中程度とされています[1]。
- 耳栓をすると耳が痛くなるのはなぜ?
- サイズが耳の穴に合っていない、深く入れすぎている、といった理由が考えられます。3M社のガイドは、入れた直後の痛みは30秒ほど待って膨らむのを見て、引かなければ少し引き出すよう勧めています[3]。続く場合は別のサイズや種類を試しましょう[2]。
- 耳栓をすれば完全に無音になる?
- 耳栓は音を減らすもので、完全に消すものではありません。遮音の大きさは種類と付け方で変わり、発泡タイプでも大きな遮音を得るには正しく着用することが条件です[1]。目覚ましや警報が聞こえる範囲で選ぶことも大切です。
- 使い捨ての耳栓は何回使える?
- 発泡タイプは汚れを保持しやすいため、使い捨てが衛生的とされています[1]。くり返し使える回数の目安は製品によって異なるので、パッケージの表示を確認してください。
- 昼寝のときにも耳栓を使っていい?
- 周りの音が気になる場所での短い昼寝にも使えます。ただし寝すぎないよう、アラームが聞こえるかを確かめておきましょう。昼寝の長さの目安は昼寝は何分がいい?厚労省の資料にある「午後の早い時刻に30分以内」と寝すぎない工夫で紹介しています。
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出典
- 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「騒音障害防止のためのガイドラインの概要」(2023年4月改訂のパンフレット)「聴覚保護具」「作業管理」 https://www.mhlw.go.jp/content/001195349.pdf(2026年10月16日閲覧)
- 3M「Fitting Instructions」(発泡耳栓の装着ポスター) https://multimedia.3m.com/mws/media/1227469O/fitting-instructions-poster.pdf(2026年10月16日閲覧)
- 3M「Tips & Tools for Fitting and Using E-A-R Foam Earplugs」(Elliott H. Berger, 2010) https://multimedia.3m.com/mws/media/883208O/e-a-rr-foam-earplugs-tips-tools-for-fitting-and-using.pdf(2026年10月16日閲覧)
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月)「良質な睡眠のための環境づくりについて」(騒音・よくある質問と回答) https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf(2026年10月16日閲覧)
- William Shakespeare, King Henry IV, Part 2, Act III, Scene I(Project Gutenberg eBook #1782) https://www.gutenberg.org/ebooks/1782(2026年10月16日閲覧)